2017年に入ると、ビットコインの世界ではSegwit導入を巡る分裂騒動が起こり、ビットコイン価格が乱高下しました。
中国を中心とするマイナーグループの多くがSegwit導入に反対しました。7月に入るとマイナーグループ主導でビットコインのブロックチェーンから分岐して、Segwitを導入しない仮想通貨である「ビットコインキャッシュ(BCH)」が新たに誕生することが決定されました。
7月後半には既にビットコインキャッシュの先物取引が行われ、この当時はまだ存在していなかったビットコインキャッシュに対して、数万円もの値が付けられました。
ブロックチェーンの分岐(ハードフォーク)が発生した場合に想定されるトラブルを避けるために、世界中の多くの仮想通貨取引所では8月1日前後にビットコイン取引を一時取引を中止しました。
8月1日の夜に実際にビットコインとビットコインキャッシュの分岐が発生し、新たな仮想通貨が誕生しました。この時にビットコインキャッシュのマイニング参加者は全体の1%程度だったため、ビットコインには心配されていたようなトラブルは発生しませんでした。
ビットコインキャッシュでは分裂前のビットコインのブロックチェーンが正統なものとみなされます。
そのため、8月1日の分裂以前に自分のウォレットでビットコインを保有していた人は、同額のビットコインキャッシュを所有していることになります。
ビットコインと比較したビットコインキャッシュの取引量は?
8月1日に新たに誕生したビットコインキャッシュは、それまでビットコインを保有していた人に対して自動的に与えられることになったので、世界中に多くの所有者が存在する状態でスタートしました。
そのため、誕生直後からビットコインと同じように活発に取引が行われています。特に中国や韓国ではビットコインキャッシュの取引量が非常に多く、世界全体で見るとビットコインを2割程度上回るほどの量が取引されています。
2017年9月23日時点では、ビットコイン価格が1BTCあたり約41.5万円に対してビットコインキャッシュは1BCHあたり4万6千円で、ビットコイン価格に対して1割を超えています。
時価総額は7千億円を超えており、仮想通貨の中では第3位です。
ビットコインキャッシュはアルトコインとして扱われているため、取引所の多くはビットコインと交換する形で取引が行われます。
このため、ビットコインキャッシュが誕生した後はビットコインの取引量も増加しています。
分裂前はビットコインキャッシュが誕生するとビットコインの取引量や価格が減少すると予想する人がいましたが、実際は相乗効果によって両方の取引量や価格が上昇しました。